農業技術Q&A

みなさまの疑問、よくいただく質問をピックアップしてお答えしています。

質問-pHについて-

土壌のpHを測りたいのですが、リトマス試験紙以外に便利で精度のある程度高い器具はないですか。どこで入手できますか。



ハンディタイプのpHメータが市販されています。簡単なものはホームセンター・園芸資材店で、精度の高いものであれば大手の種苗会社・農業資材会社で取り扱われています。


質問-栽培方法について-

サンチュと紫蘇について教えてください。



ご質問のサンチュとシソについて,県に栽培基準がありません。ただ,最近の状況としてサンチュは近年栽培がのびており,ハウスで養液栽培し,年中出荷が主体のようです。又,シソは青じそ(おおば,大葉)と赤ジソとあり,青じそはハウス栽培で年中出荷されています。赤じそは6月から7月に収穫され,漬けウメの材料に使用されます。なお,収益性については調査事例が少なく十分把握出来ていません。


質問-農地収得について-

阿南市の新野町辺りの10㌃当りの価格相場がわかるのであれば教えてください。そしてこのあたりで購入するにはどこへ行けばよいのでしょうか。



ご質問の内容についてアグリテクノスクールではわかりません。ご質問の件については、阿南市農業委員会でご相談されたほうがよいと思います。


質問-市況の良い作物について-

じゃがいも・ほうれん草・キャベツ・かぼちゃ・豆類・大根等(まだ小分類品種名称が有ると思いますが)で育て易く市況が良さそうな野菜にはどのような物が有りますか?



市況の良いと言う意味が多くに解釈されます。

 近年、「フードファクター」と言うことで、免疫が高まる食品群の代表的な作物をアメリカ政府が研究し注目されています。今後の食生活で新たに注目され需要が高まり、有利になる作物と考えると次のようになります。そこで、国内では機能性食品と言う観点から2のような作物が評価されされています。
1免疫機能が高まる代表的な食品・・・ニンニク、ダイズ、ニンジン、セロリ等2機能性食品から需要が高まる・・・ニガウリ、紫イモ、シイタケ、納豆、コメ、ゴマ、緑米(肝臓に良い米)
3食事を楽しく食べる食材・・・赤ダイコン、赤タマネギ
4バイキング料理に使う新食材・・・山菜全般

また農法の違いから評価され高く売れる作物があります。
1糖度が高い・・・フルーツトマト
2有機農法で作った全ての野菜
以上のように沢山ありますが、意に沿ったものがあれば経営条件に合わせて選んでください。


質問-トウモロコシの間引きについて-

苗より三本の茎が出てますが、一本に間引きした方が良いと聞きます。その時期や長さと、切断部・方法をお伺いします。



販売目的で比較的広い面積を栽培する場合は、無除けつ栽培を基本としますが、主稈と同じ位大きな分げつは早めにかぎとるようにしたいものですね。トウモロコシは2~3粒まき、本葉2~3枚で1カ所1株にする。1株の株元からお問い合わせの茎(分げつ)が2~3本分げつします。草丈30cm位までは主稈1つになるように除きます。その後は主稈が大きくなり、大きな生育はしません。茎の除き方は手で主稈を固定し、もう一方の手で茎をねじると簡単に除けます。(根際からカッターナイフ等で残す株を傷めないように除く)。また、スイートコーンは風媒花なので、なるべく2条植として、1主稈に1雌穂にしてください。


質問-ポンダリンについて-

ポンダリンの取り入れ時期は2月上旬~中旬で、成熟期間は1ヶ月ぐらい予定していますが、これでよろしいかどなたか解答お願いします。



ポンダリンはJA市場町の商標で一般的にはデコポンの名称で流通しています。成熟期は2月中旬頃と言われていますが、果実は糖度、酸度ともに高く、樹上では減酸が緩やかなため減酸を待っていると、果皮の老化が進み腐敗果となる危険があります。無加温ハウスの場合は2月上旬に収穫し、2~7日間の予措の後0.02ミリのポリ袋に個装し、常温貯蔵しています。なお、露地栽培の場合はこれより早い時期の収穫をお勧めします。


質問-籾殻処理について-

今年の4月代掻きをする時、昨年の籾殻が腐らずに残っていたままでそこに田植えをしました。今年も6反分の籾殻を約1反に散布し耕運しました。今年も4月までには腐らず田植え後徐々に腐食すると思いますが、稲の生育に悪影響を与えますか?  近所の多くはくすぼらして灰化しています。



一般に籾穀は分解が進みにくいのですが、乾田で年内に分解を促進させる窒素質肥料とともにすき込んでおくと、2年間の連用では翌年の生育には悪影響は少ないものと考えられます。


質問-スイカが割れる件-

小玉スイカをホームセンターより購入し3株栽培しています。初期に結実したスイカがかなり大きくなりましたが、最近その2個が表面より割れてしまいました(裂果)。全く残念なのですが、なぜ成長に伴って割れるのでしょうか。スイカ内部の成長に比べ外表面部の成長が伴わず外面が引っ張られて割れるのかな?肥料は定植前に元肥ーボカシ肥料、定植約1ヵ月後追肥ーボカシ肥料とくみあい48化学肥料をかなり施肥。無農薬です。



裂果の経過は、おっしゃる通りです。内部の生長と外部の生長の速さのギャップで割れます。その原因は、雨などによる土壌水分の急激な変化で起こります。その対策として、草の防除を兼ねて黒のマルチを始めにしておくと良いと思います。


質問-稲作の中干しについて-

稲作について教えてください。4月30日にマット苗を植付けしています。徳島農業指導班監修のコシヒカリ栽培管理歴に従うと中干し時期は6/12~6/17になります。更に有効分けつの80%(20本/株)が確保出来たら 中干しと記載されています。1株中の有効分けつ茎数の見分け方を教えてください。



コシヒカリの中干しは、出穂前45~35日前。「有効分げつ茎数の見分け方」ですが、現時点(6月8日)で株中の茎数を調査すれば、ほとんどが有効茎数と思われます。しかしこの時期以降に分げつされた茎は無効となりやすいものです。中干しは、目標とする茎数の80%程度(18~20本)茎数が確保されたら開始し、過剰分げつを抑制します。特に、乳苗栽培や早植栽培では茎数確保が容易なので適期を逸しないよう注意する必要があります。一般に最高分げつ期に3枚以上の葉を持ち、よく発根していれば有効茎になるとされているが、分げつ数が多すぎの場合は過繁茂状態となり十分日光が行きわたらず、下葉から枯れ上ることが多いです。


質問-春播きほうれん草の栽培-

西洋大葉ほうれん草(株ウタネ)、おてもやん(株タキイ)を春播きようとして3月~4月末に3回に分け播種した。元肥として、くみあい苦汁炭酸石灰、くみあい48化学肥料、米ぬかボカシ肥料を使用、生育途中 追肥として48化学肥料を施肥した。出来具合はどれも、秋播きほうれん草に比較して次のような違いがあった。
①葉色の緑が薄い(黄緑色に近い)、濃い緑にならない。
②採集期間が極端に短く、すぐに(成長後10日もすれば)黄色く変色していく。
③茎を含め柔らかい お店で販売しているほうれん草とかなり違いがある。
秋播きほうれん草と春巻きほうれん草の栽培の仕方の違いと春巻きほうれん草の栽培時の注意事項を教示願えたらありがたいです。



はじめに、基本的なことを申し上げます。ほうれん草は耐寒性は極めて強く、0℃以下でも生育を続け、-10℃の低温でも耐えます。しかし、高温に弱く、20℃以上になると生育は衰えるため、夏まきは栽培が難しく、育ちにくい傾向があります。そもそもほうれん草は、長日植物ですので日長には敏感で日が長くなると、とう立ちします。すなわち、発芽した種子の時期から日長が長くなるにつれて、花芽の発達・抽台が促進される代表的な長日植物です。秋まき栽培の場合は、低温感応により花芽分化が促進されますが、短日下で花芽の発達は抑えられ、日長が長くなるまで栄養成長を続けます。そのため、成長期間は長く葉の成長も十分あり、厚く、大きい葉(葉数は15~20枚)となります。しかし、春まき栽培の場合、播種し発芽した時点から長日に感応して花芽の発達・抽台がはじまり、温度の上昇によりさらに促進されます。葉の成長(葉数10~15枚)期間も短く全体的に冬まき栽培より春まき栽培が小さく薄い傾向となります。そのため、特に長日期にはそれに合った品種が必要です。一方、ほうれん草は酸性土壌に野菜の内で最も弱く、PH5.2以下ではほとんど育ちません。播種前には十分に土壌改良しておく必要があります。そこで、春まきのほうれん草の成育を良くするためには土壌改良をして、肥沃な土にしておくことと(成育期間中に肥切れさせない)、土壌中の水分不足に注意することが大切と思います。


質問-玉葱の花について-

たまねぎの花がつきましたが、取り入れが遅れたのでしょうか?



玉葱の収穫時期は、地上部がほ場全株の80%以上倒伏した時が収穫適期です。球の肥大後半期にぼんこが出、花が付くのは定植時の苗が次の標準以上に大きかったためです。〔 標準 〕根元の太さ6mm程度/100本重は早生種700~800g、晩生種500~600gです。ぼんこ(花)は早めに摘除すると良いです。


質問-土壌分析について-

この度、水田土壌の簡単な分析をやって貰いました。この結果、やや異常な値がありましたので、対処法をお教えください。 ① 可給態鉄(酸化鉄ではありません)が 50mg/100g乾土(7~15が標準値)でした。やや多過ぎると思うのですが、予想される障害と対策を教えて下さい。 ② 交換性K2Oが 40mg/100g乾土でした。この圃場はここ5年ほど稲作以外行っておらず、しかも肥料は、稲藁全量還元、ケイカル、リンスター30、BB48化成肥料(各成分7.7kg/10a)しか、施していませんので、このようなK2Oの蓄積気味は意外でした。こんなに高いK量であればKの施肥は不要だと思いますが、このようなK2O蓄積は起こり得ることなのでしょうか。 なお、5年ほど前までは洋ニンジンを水稲裏作に作って貰っていました。また他の分析値は以下の通りです。 交換性CaO  100mg/100g乾土  〃 MgO  10mg/100g乾土 〃 マンガン 1mg/100g乾土 可給態リン酸  20mg/100g乾土 pH5.6 CEC 12.7 以上、よろしくお願いします。



①水田における鉄含有量は乾土100g当たり酸化鉄として800mg(鉄として620mg)以上が望ましく、現状では含鉄資材の施用が必要です。
②記載されている資材の施用で、10a当たり40kgのK2Oが蓄積されることは考えにくい。ただ、洋ニンジンを栽培していたときに多量の堆肥を施用していた場合には、これらが影響しているのではないかと思われます。


質問-柑橘の剪定について-

みかん、ネーブル、ポンダリン、温州、分担の生産に取り組んでいます。取り入れの終わった後の剪定の仕方がよくわかりません。剪定の時期と、どのような枝を切るのか教えて下さい。太い枝を切ったら弱った様に思います。



柑橘類の剪定時期は新芽の出る前の3月が適期です。今年は成り年だったでしょうか?その場合、来年は不成り年が予想されますから軽い剪定が良いでしょう。カンキツ類は今年の春出た枝(春枝)が来年の優良な結果母枝になります。(この春枝の枝先辺りから来年の春、新しい枝が出てその枝に実が成ります。実がなる枝を結果枝と言い、結果枝を出す枝を結果母枝と言います。)今年、たくさん成った樹は結果母枝になる良い春枝などが少ないので大切にしなければなりません(今年実が成っていた枝は結果母枝にはなりません)。従って軽い剪定か、無剪定にして結果母枝の確保に努めます。今年、不成り年で、来年成り年になる樹はこれと反対で結果母枝を減らすような剪定をします。いずれにしても、カンキツ類は年中青い葉を付けて生活をしていますから、太い枝を切って落とすと樹勢の低下につながります。したがって落葉果樹に比べて軽い剪定になります。剪定について詳しくは赤井昭雄著「庭先でつくる果樹33種」(農文協)あたりを参考にすると良いでしょう。


質問-土寄せについて-

ブロッコリーの栽培にトライしています。定植後、7~8葉で土寄せすることになっていますが、このころはまだ背丈が小さく、鍬等で行っても下葉が埋もれてしまう等、やりにくいと思います。また、能率も非常に悪いと思います。何か良い方法を教えて下さい。




土寄せは2~3回に分けてします。初期(7~8葉期)の土寄せは土ぎわの節間が短く、下葉が土に埋もれやすいので、この時期は少し土を寄せる程度とし、下葉が少々取れてきた頃から多めに寄せてください。早生種は草丈がそれほど高くならないので、土寄せはあまり多くなくてもよいでしょう。一方、中生や晩生は草丈が高くなります。大きくなると葉が重くなり、倒伏しやすいので8cm~10cm程度土寄せするようにしましょう。中耕のとき毎回軽く土寄せしておくと、最後の土寄せが楽になります。